結論からお伝えすると、教員でも退職代行を利用して退職することは可能です。

しかし、年度途中で辞められるのか、公務員でも即日退職できるのか、有給休暇は使い切れるのかなど、制度が複雑で退職代行を利用できるかどうか迷う人は少なくありません。

さらに、教員の退職代行の利用が転職に影響しないか、学校から連絡が来た場合にどう対応すべきかと不安を抱く方もいるでしょう。

本記事では、教員が退職代行を利用する際に知っておきたい制度上のポイントや注意点などについて詳しく解説します。

もしも、今すぐに退職代行を利用しようか決めたい場合はイマスグヤメタイでまずは無料相談をすることをおすすめします。

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教員でも退職代行は利用可能

先ほども解説しましたが、教員でも退職代行は利用して退職することは可能です。

ただし、教員は公務員のため、退職は任命権者の許可（辞令）が出て初めて成立します。

そのため、民間向けの退職代行では対応できない場合があり、公務員の手続きに詳しい弁護士などのサービスを選ぶ必要があるのです。

公務員は退職代行を利用できるケースと利用できないケースがあるのです。

公務員が退職代行を利用して辞めることができるケースとはどのような場合かについては、本記事でも解説していますが、別記事でも詳しく解説しておりますので、合わせて確認することをおすすめします。

また、公務員は法律上すぐに退職できないため、最低でも1ヶ月前に意思表示を行い、残っている有給休暇を計画的に使うことが望ましいです。

任命権者は禁止されていない限り退職を認める立場であり、退職そのものを拒否することはできません。

公務員制度に精通した弁護士や労働組合が運営する退職代行であれば、安心して任せられるでしょう。

教員が退職代行を使うべきケース

教員が退職代行を使うべきケースとは、心身の負担が大きく自力で手続きが難しい状況を指します。

たとえば、長時間労働で限界が近い場合や、管理職・同僚・保護者からの深刻なハラスメントにより通常の相談ルートが機能していない場合が挙げられます。

また、退職願を提出しても受理されず強く引き止められている状況では、第三者の介入が必要です。

年度途中の退職に迷うケースについても、下記で詳しく解説します。

長時間労働で心身が限界に近い

教師の長時間労働は深刻で、心身に限界が近づく危険があります。

月平均残業時間が約88時間に達し、「過労死ライン」（月80時間）を超えていると報告されています。
（参考：労働政策研究・研修機構）

また、精神疾患で休職する教員は増え続け、2023年度は過去最多の7119人に上りました。
（参考：教育新聞）

限界のサインとしては、次のような症状が見られます。

• 疲労感が慢性化し、睡眠障害や体調不良が続いている
• 仕事への意欲が低下し、集中力や判断力が落ちている
• 月残業が80時間を超え「過労死ライン」を恒常的に上回っている

これらの状態が続く場合、心身が壊れる前に退職代行の利用を含めて退職を検討する必要があります。

管理職・同僚・保護者からのハラスメント

管理職・同僚・保護者からのハラスメントは教員を追い詰め、退職の大きな要因になります。

教員が受けやすいパワハラ・モラハラ・保護者トラブルには、次のような例があります。

• 管理職によるパワハラ：問題保護者対応を一方的に任せ、謝罪まで押し付ける
• 同僚によるいじめ：日常的な無視や暴言・侮辱で精神的に追い詰める
• 保護者からのクレーム：夜遅く学校へ押しかけ、長時間責め立てるなど過剰な要求をするケース

ハラスメントが原因で心身を病み、うつ病で休職・退職に至る教員も少なくありません。

内部での解決が難しい状況では、退職代行を利用して速やかに職場から離れるようにしましょう。

退職願を受理してもらえない・強い引き止めがある

教員が退職の意思を示しても、学校側が受理せず強く引き止めるケースがあります。

• 退職の意思を何度伝えても「年度末まで待ってほしい」と言われ先延ばしにされる
• 提出した退職願が受理されず、退職を諦めるよう圧力をかけられる
• 退職の意思を示した途端、上司や同僚から無視・冷遇される（慰留ハラスメント）

本来、任命権者（教育委員会）は特別な事情がない限り退職を拒否できないとされています。

しかし、強い引き止めが続く状況では個人での対処は難しく、退職代行を利用して第三者に意思を伝えてもらうことで、学校側も引き止めにくくなり退職手続きが円滑に進みます。

年度途中でも辞めたい事情がある

多くの教員は年度末に退職しますが、病気や心身の不調、家族の介護、配偶者の転勤などで年度途中に辞めざるを得ない場合があります。

法律上、公務員である教員も特別な事情があれば途中退職は認められており、無理に年度末まで働く義務はありません。

心身が限界に近い状況では、待たずに退職を選ぶことが望ましいとされています。

退職を決めたら、早め（目安1ヶ月前）に学校へ意思を伝え引き継ぎを進めましょう。

退職代行を利用すれば、年度途中でも手続きを確実に進めてもらえるため、円滑に退職できます。

教員が退職代行を利用する際の選び方

教員が退職代行を利用する際の選び方は、以下の4つです。

• 信頼できる退職代行業者を見極める
• 弁護士監修と一般の違いを知っておく
• 事前に料金相場と追加料金の有無を確認しておく
• サポート内容を比較する

それぞれの教員の退職代行の選び方について、下記で詳しく解説します。

信頼できる退職代行業者を見極める

信頼できる退職代行を選ぶには、運営元の透明性や実績を多角的に確認することが重要です。チェックすべきポイントは以下の通りです。

• 公式サイトに会社概要・所在地・代表者名が明記されているか確認し、記載が曖昧な場合は注意する
• 弁護士事務所や労働組合が運営するサービスなら合法的な交渉が可能だが、一般企業は退職の意思伝達のみで交渉権がない
• 退職代行は新興企業が多いため、実績の豊富な業者を選ぶと安心できる

これらの点を押さえておけば、違法な非弁業者を避け、より安全に任せられる退職代行を見極められます。

弁護士監修と一般の退職代行の違いを知っておく

弁護士監修や労働組合と民間企業には、対応範囲や安全性に明確な違いがあります。主な違いは、以下のとおりです。

項目	労働組合・弁護士	民間企業
対応範囲	退職の意思伝達に加え、有給休暇や残業代などの交渉可能	退職の意思伝達のみで、会社・学校との交渉不可
安全性	非弁行為に該当せず違法リスクがない	法律違反となる非弁行為のリスクがある
費用相場	弁護士：5万〜10万円 労働組合：3万〜5万円	1万〜5万円

弁護士が関与するサービスは、退職に伴うトラブルにも法的に対処でき、安全性が高い点が特徴です。

一般の業者は対応範囲が限られるため、交渉が必要な場面では適さないといえます。

事前に料金相場と追加料金の有無を確認しておく

退職代行の料金はサービスごとに異なるため、相場や追加料金の有無を確認しておくことが重要です。

主なチェックポイントは、以下のとおりです。

• 料金相場の目安：基本料金は2万～5万円程度が一般的で、相場とかけ離れた格安業者は注意が必要
• 追加料金の確認：基本料金に含まれる内容を確認し、即日対応や郵送費用などで追加請求されるケースに注意する
• 返金保証や成功報酬の条件：追加料金なしや成功率100%などの表現は定義が曖昧な場合があるため、返金条件を含め事前に確認する

これらを確認しておけば、料金に関するトラブルを避けやすくなります。

サポート内容を比較する

退職代行サービスは運営者によってサポート内容が異なるため、無料相談やアフターサービスの有無を比較することが大切です。

主な退職代行サービスの確認ポイントは、以下のとおりです。

• 無料相談：多くの業者は初回相談が無料で、LINEやメールで気軽に問い合わせできる。一方、弁護士運営の場合は相談が有料となることもある
• 対応時間：24時間対応や即日対応が可能か確認し、深夜や休日でも連絡が取れる体制があるかをチェックする
• 転職支援：退職後の転職サポートの有無を確認し、履歴書添削や転職エージェントとの連携など再就職を支援するサービスがあるかを見ておく

数ある退職代行サービスから上記の項目を比較することで、自分に合った退職代行サービスを選びやすくなります。

教員が退職代行を利用する流れ

教員が退職代行を利用する流れは、以下のステップです。

• 1.無料相談（LINE・メールまたは電話）
• 2.正式申し込み・料金の支払い
• 3.退職日・有給などのヒアリング
• 4.退職代行が学校へ連絡
• 5.書類受け取り・退職完了

ステップごとに、詳しく解説します。

①無料相談（LINE・メールまたは電話）

退職代行を利用する前には、まず業者の無料相談を活用します。

多くの退職代行サービスはLINE・メール・電話で相談でき、特にLINEは履歴が残るため内容を見返しやすく便利です。

無料相談ではサービス内容や料金システムを確認でき、不安点も気軽に質問できます。

追加料金の有無、即日対応の可否、支払い方法、退職後の書類受け取り方法、学校備品の返却や私物回収の方法などは事前に必ず確認しましょう。

なお、教員は公務員にあたるため、公務員の退職手続きに対応できる業者かどうかも無料相談の段階で確認しておくことが重要です。

②正式申し込み・料金の支払い

無料相談で依頼を決めたら、退職代行サービスに正式申し込みを行い、料金を支払います。

支払い方法はサービスごとに異なりますが、多くは銀行振込の前払い制で、クレジットカード決済や後払いに対応する場合もあります。

当日すぐに退職代行を利用したい場合は、時間帯を問わず決済できるクレジットカード対応の業者を選ぶと安心です。

支払い後、入金が確認されると退職希望日や依頼者情報に関するヒアリングが行われます。

料金相場は民間・労働組合運営で2〜5万円、弁護士対応では5万円以上が一般的です。

料金プランの範囲を確認し、追加費用が発生しないよう注意しましょう。

退職代行の費用については別記事にて、追加料金がかかるケースなども解説していますので、合わせて確認してみてください。

③退職日・有給などのヒアリング

料金支払い後は、退職代行業者との打ち合わせが行われます。

この段階では退職希望日や有給休暇の残日数・取得希望を確認し、退職日や有給消化の計画を決めます。

氏名・生年月日・住所・電話番号といった基本情報、勤務先・雇用形態・勤続年数・退職理由などの必要事項も整理されます。

退職金や未払い残業代の有無といった金銭面の確認も原則行われ、会社へ伝えたい内容があればこの段階で依頼します。

質問項目はシート化されていることが多く、順番に答えるだけで必要な情報を伝えられます。

また、離職票などの退職書類の請求や、教員証など学校から借りている物の返却方法についても確認されます。

④退職代行が学校へ連絡

退職代行業者はヒアリング内容をもとに学校へ連絡し、教員が退職を希望していることを伝えます。

電話やメールで校長や教育委員会の担当者に連絡が入るため、依頼者本人が学校と直接やり取りする必要はありません。

代行業者から進捗の報告を受けられるため、安心して任せられます。

有給休暇の消化や未払い給与の請求など交渉が必要な事項がある場合でも、労働組合や弁護士が運営するサービスであれば代わりに対応できます。

なお、公務員の退職は原則認められるため、退職が拒否される心配はありません。

ただし一般の民間業者は法律上、退職の意思伝達以上の交渉はできない点に注意しましょう。

⑤書類受け取り・退職完了

退職代行が学校へ退職の意思を伝えた後、退職届を郵送し、教員証などの貸与品も返却します。

その後、退職に必要な書類を受け取り、手続きが完了します。

退職日が確定すると、学校から離職票や源泉徴収票などの書類が郵送されます。

書類が揃うまでには退職日から数週間かかるため、受領漏れがないか必ず確認しましょう。

万が一必要書類が届かない場合は、退職代行サービスに連絡して対処してもらいます。

退職時に受け取る主な書類は次のとおりです。

• 離職票
• 雇用保険被保険者証
• 源泉徴収票
• 年金手帳（基礎年金番号通知書）
• 退職辞令（公立学校教員の場合）

教員が退職代行を利用する4つのメリット

教員が退職代行を利用するメリットは、以下の4つです。

• 学校・保護者との直接のやり取りを避けられる
• 即日で出勤を止めることが可能なケースもある
• 有給休暇の申請・消化をサポートしてくれる
• 退職後の転職支援を受けられるサービスもある

教員が退職代行を利用するそれぞれのメリットについて詳しく解説します。

学校・保護者との直接のやり取りを避けられる

退職代行業者が学校へ退職の意思を伝えてくれるため、教員本人が校長や同僚に直接連絡する必要がなくなります。

理由を詮索されたり引き止められたりする場面を避けられ、対面でのストレスから解放されます。

また、保護者対応は教員にとって大きな負担であり、退職代行を利用すれば保護者への説明や対応は学校側が行うため、本人が連絡を取る必要はありません。

さらに、退職代行業者が学校に本人への直接連絡を控えるよう要請するため、学校からの電話も回避できます。

このように、退職代行を利用すれば人間関係に伴うストレスを大幅に軽減できます。

即日で出勤を止めることが可能なケースもある

通常、退職の意思を伝えた後は引き継ぎや手続きのために1ヶ月以上の出勤が必要ですが、退職代行を利用すれば即日で出勤を止められる場合があります。

急いで退職したい場合でも、退職代行が迅速に対応するため安心です。

また、有給休暇の取得交渉を代行してもらえるため、残っている有給を消化することで出勤せずに退職することもできます。

実際に「即日退職可能」とするサービスもあり、公務員である教員でも有給休暇を残しておけば、結果的に即日退職に近い形でスムーズに辞められるケースがあります。

さらに、身分証や教材の返却も郵送で調整できるため、学校へ行かずに退職手続きを進められます。

有給休暇の申請・消化をサポートしてくれる

退職代行サービスは、有給休暇の申請から取得交渉までサポートしてくれます。

残っている有給日数を可能な限り消化できるよう代行業者が勤務先と調整するため、教員は出勤せずに退職手続きを進められます。

実際、有給休暇の申請サポートを無料で行うサービスもあり、有給消化を含めた手続きを任せられるので安心です。

特に弁護士運営の退職代行であれば、有給を全て消化した上で退職したり、消化できない分の買取交渉を依頼することも可能です。

未消化の有給休暇をしっかり使い切って退職でき、経済的損失を防ぐメリットがあります。

退職後の転職支援を受けられるサービスもある

退職代行サービスの中には、退職手続きに加えて退職後の転職支援まで行うものもあります。

履歴書の添削や求人紹介、面接対策などのキャリア相談を追加料金なしで提供するサービスも存在します。

たとえば、人材紹介会社と提携して転職フォロー体制を整え、退職完了まで追加料金なしでサポートするサービスがあります。

また、無料の転職サポートを用意し、退職後の再スタートを手厚く支援する業者もあります。

こうした支援を活用すれば、教員が退職後に安心して次のキャリアへ踏み出すための心強い後押しになります。

教員が退職代行を使う3つのデメリット

教員が退職代行を使う際のデメリットは、以下の3つです。

• 退職代行の利用には費用がかかる
• 職場・同僚との関係が悪化する可能性
• 生徒との別れに心残りが生まれやすい

それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

退職代行の利用には費用がかかる

自分で退職の意思を伝えれば費用は不要ですが、退職代行サービスを利用する場合は2～5万円程度の料金が発生します。

たとえば、弁護士が運営する退職代行では5万円以上かかるケースもあります。

一方で、2万円以下の格安サービスも存在しますが、料金が低い分サービス内容が限定されることもあります。

退職のために数万円の自己負担が生じる点は、教員にとって小さくない負担と言えるでしょう。

イマスグヤメタイであれば、業界でも料金が安く、労働組合が運営、弁護士も監修しているため、教員でも退職代行を利用することが可能です。

まずは無料相談を行っていただき、現状などを伝えてもらえたらと思いますので、気軽に下記より相談してみてください。

職場・同僚との関係が悪化する可能性

退職代行を利用すると出勤せずに退職するため、円満に退職できず、職場の上司や同僚との関係が悪化する可能性があります。

事前に直接の挨拶や引き継ぎがない分、職場に驚きや戸惑いを与え、一時的に職場が混乱する恐れもあります。

突然の退職が迷惑と受け止められ、周囲からの信頼を損ねる可能性もあります。

特に年配の教員には、このような辞め方が非常識と捉えられ、反感を持たれる場合もあるでしょう。

ただし、親しい同僚には退職後に個別で挨拶できますし、そもそも親しくなかった相手とは退職後に自然と疎遠になるため、必要以上に気にしなくてもよいという意見もあります。

生徒との別れに心残りが生まれやすい

退職代行は担当者とのやり取りだけで完結するため、生徒に直接挨拶する機会がありません。

教員を辞めるということは、自分を慕っていた生徒との急な別れを意味します。

最後の挨拶ができないまま去ることで、教員側には自責の念や心残りが生じる場合もあります。

生徒への別れの挨拶は大切な区切りですが、それができないことで悔いが残る可能性があります。

残された生徒が悲しむことも考えられますし、退職後は教え子と会う機会がなくなる現実も受け止めなければなりません。

このように、生徒にきちんと別れを告げられないことによる心残りが生まれやすい点も、退職代行利用のデメリットと言えます。

退職代行を使う前に教員が準備しておくべきこと

教員が退職代行サービスを利用して職場を離れる際には、円滑に新生活を始めるための事前準備が欠かせません。

退職代行に任せれば直接職場とやり取りせずに辞められますが、その分、自分で整えておくべき事柄もあります。

退職後の生活設計から在職中の業務整理まで、退職前に確認しておきたいポイントを解説します。

退職後の収入・転職先の見込みを立てておく

退職後は収入が途絶えるため、生活費の確保や転職先の目処を事前につけておくことが重要です。

教師を辞めた後も教育分野で働くのか、異業種に進むのか、早めに方向性を定めておきましょう。

一般企業への転職は未経験だと苦戦する可能性があります。

厚生労働省の調査でも、退職から再就職までに1〜3ヶ月かかった人が半数以上で、半年以上かかった例も報告されています。

収入がない状態で焦って転職先を妥協すると、転職に失敗する恐れが高まります。

そのため、最低でも3ヶ月分、可能であれば半年分の生活費を貯蓄して無収入期間に備えつつ、退職前になるべく次の就職先の見通しを立てておきましょう。

引き継ぎメモや業務整理を事前に行う

円滑に退職するには、担当業務やクラスの引き継ぎを適切に行うことが大切です。

退職代行サービスを利用する場合でも、引き継ぎ資料やメモは事前に自分で準備しておく必要があります。

一般企業では引き継ぎなしで退職する例もありますが、公立学校の教員では引き継ぎを十分に行わなければ退職が認められないケースもあります。

内容を整理しておけば、退職代行業者が書類やデータを学校へ渡してくれるため、自分が出向く負担を抑えられます。

授業の進度や生徒に関する情報、校務の引き継ぎ事項などをまとめた引き継ぎメモを作成し、退職前に整えておきましょう。

後任者もよりスムーズに業務を引き継ぐことができます。

個人の教材データ・私物を整理する

職場に保管している教材データやプリント、個人の私物は、退職前に整理し持ち出せるよう準備しておきましょう。

退職代行を利用すると、有給休暇の消化などで退職日まで出勤しないケースが多く、退職後に職場へ戻って私物を回収することが難しくなります。

未回収の私物は郵送で返送される場合もありますが、対応が遅れたり、場合によっては処分されてしまう恐れもあります。

大切な教材データは事前にコピーを取り、個人で作成した資料も忘れずに持ち帰りましょう。

ただし、生徒の個人情報を含むデータを無断で持ち出すことは避け、学校のルールに従い適切に処理する必要があります。

退職時に私物が残らないよう確認しておきましょう。

退職後の健康保険・年金・失業保険を確認する

退職後には、健康保険・年金・失業保険などの公的手続きを事前に確認しておくことが欠かせません。

退職すると会社の健康保険を抜けるため、任意継続の手続きや厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。

退職日の翌日から14日以内に届け出を行い、無保険・未納の期間をつくらないようにしましょう。

また、失業保険（雇用保険）の基本手当を受け取るには、離職票を受領し、ハローワークで申請する必要があります。自己都合退職では給付開始が3ヶ月遅れます。

手続きを怠ると、無保険状態や給付の受給漏れにつながる恐れがあります。

退職前に必要な手続きと期限を把握し、漏れなく対応しましょう。

教員が退職代行を使うときの注意点

教員が退職代行を使うときは、以下の点に注意しましょう。

• 公務員に対応した退職代行を選ぶ必要がある
• 任命権者の承認・辞令受け取りが必要になる
• 違法な退職代行（非弁行為）に注意する
• 年度途中退職にはリスクもある

それぞれの注意点について詳しく解説します。

公務員に対応した退職代行を選ぶ必要がある

教員も退職代行を利用できますが、公務員である教員の退職手続きは民間企業とは大きく異なり、地方公務員法や国家公務員法の規定が関わります。

そのため、公務員制度に詳しくない業者では依頼を断られる例もあります。

公務員の退職に精通した業者を選べば、複雑な手続きにも適切に対応してもらえるでしょう。

また、一般的な民間業者や労働組合型の退職代行は、公務員を対象外としている場合が多い点にも注意が必要です。

国や自治体は弁護士以外の第三者による退職申請を受理しない傾向があるため、公務員が退職代行を利用する際は、公務員の退職に詳しい弁護士が関与するサービスを選ぶことが重要です。

任命権者の承認・辞令受け取りが必要になる

公務員である教員が退職するには、任命権者の承認が必要です。

まず自ら辞職の申出を提出し、任命権者の許可を得て初めて退職が成立します。

また、教員は任命権者から辞令（辞職辞令）の交付を受けなければなりません。

採用時に任命されたのと同様に、退職時にも公務員でなくなることを示す正式な辞令が必要とされています。

辞令は通常、辞令交付式で交付されますが、やむを得ない場合は郵送で受け取ることも可能です。

なお、民間企業のように2週間前の意思表示だけで退職できるという民法の規定は、公務員には直接適用されません。

任命権者の許可を得ずに出勤を停止すれば、懲戒処分や懲戒免職の恐れも生じます。

違法な退職代行（非弁行為）に注意する

退職代行業者の中には、弁護士資格がないにもかかわらず退職手続きの交渉まで行い、弁護士法違反（非弁行為）に該当するサービスもあります。

こうした業者を利用すると、依頼者は法的に十分な保護を受けられず、退職後にトラブルへ発展する恐れが高まるため注意が必要です。

非弁行為に該当する退職代行業者の主な特徴は、以下のとおりです。

• 未払い賃金や退職金などの法的請求について「交渉まで代行する」と謳っている
• 弁護士事務所や労働組合ではないのに、会社と直接交渉している
• 「必ず退職できる」「トラブルもすべて解決」など、過度な宣伝をしている

違法業者を利用すると、自身が不利益を被る可能性もあります。信頼性の高い弁護士または労働組合が運営する正規の退職代行を必ず選びましょう。

退職代行の非弁行為については別記事で詳しく解説していますので、退職代行を利用する前に確認しておくといいでしょう。

年度途中退職にはリスクもある

年度途中の急な退職は同僚への業務負担を増やし、引き継ぎや後任探しが難航するなど現場に大きな混乱を招く恐れがあります。

退職理由や時期によっては周囲の理解が得られず、人間関係が悪化する可能性もあります。

また、担当クラスの生徒にとっては突然の教師交代が不安材料となり、教育環境の安定を損ねる懸念も否めません。

教員自身にとってもリスクは大きく、求人が少ない時期に転職活動を迫られ、希望職に就きにくくなる場合があります。

さらに、年度途中退職の経歴が残ることで、将来教育現場へ復職する際に不利に働く可能性もあります。

そのため、年度途中で退職を検討する場合は慎重な判断が欠かせません。

教員が退職代行利用後に行うべき手続きと転職活動

退職代行を利用して教員を辞めた後も、円滑に再スタートを切るためには、自分で進めるべき各種手続きや転職準備が欠かせません。

健康保険・年金の切り替え、離職票の受け取りと失業保険の申請、退職後の書類整理や転職活動の進め方など、行うべき事項は多岐にわたります。

ここでは、教員が退職代行利用後に行うべき手続きと転職活動について詳しく解説します。

健康保険・年金の切り替え手続き

退職後は、健康保険と年金の切り替え手続きを速やかに行う必要があります。

健康保険は新たな就職先がない場合、国民健康保険への加入（退職翌日から14日以内に市区町村役場で手続き。資格喪失証明書や本人確認書類などが必要）、任意継続被保険者制度の利用（退職翌日から20日以内に協会けんぽ等へ申請）、または配偶者の健康保険の扶養に入る方法があります（配偶者の勤務先で手続き）。

年金も厚生年金から国民年金への切り替えが必要で、退職後14日以内に年金事務所や市区町村窓口で手続きを行います（年金手帳または基礎年金番号通知書と退職を証明する書類が必要）。

配偶者の扶養に入る場合は、配偶者の勤務先を通じて第3号被保険者の手続きを行いましょう。

離職票の受け取りと失業保険の申請

離職票は退職後に会社から発行される失業保険（基本手当）申請用書類で、退職日から約10日〜2週間後に自宅へ郵送されるのが一般的です。

届いた離職票は住居地を管轄するハローワークに提出し、失業手当の受給手続きを行いましょう。

失業保険の申請準備として、次の書類を用意します。

• 雇用保険被保険者離職票（離職票1・2）
• マイナンバー確認書類（マイナンバーカード、通知カードまたは個人番号入り住民票）
• 身元確認書類（運転免許証などの写真付き身分証）
• 証明写真2枚（縦3.0cm×横2.4cm）
• 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

書類が揃ったら、ハローワークで失業給付（基本手当）の申請手続きを進めましょう。

書類整理と転職活動の進め方

退職後はまず、学校から届いた書類を整理します。

離職票や源泉徴収票、雇用保険被保険者証、健康保険資格喪失証明書、年金手帳など、必要書類がすべて揃っているか必ず確認し、紛失しないよう保管しましょう。

次に、履歴書や職務経歴書を準備し、教員時代の経験を整理して、他業種でも活かせるスキルを強みとして記載します。

また、転職活動を効率的に進めるため、全体のスケジュールを立てることが欠かせません。

離職期間中は収入が途絶えるため、生活費などの資金計画も事前に検討しておきましょう。

求人情報の収集や応募書類の作成、面接対策に充てる期間もあらかじめ計画し、ハローワークや求人サイト、転職エージェントなど複数の手段を併用して進めましょう。

教育業界・一般企業への転職ルート

教員からの転職では、教育業界内で働くか、異業種の一般企業へ進むかによって進路が大きく分かれます。

教員の転職先として教育関連分野が約24％と最多でしたが、残りは多様な業界に分散していることが明らかになっています。

主な教員の転職ルートの例は、次のとおりです。

• 教育関連企業（教材出版社・教育サービスなど）
• 学習塾講師・家庭教師
• 学校事務職・大学職員
• 公務員（教育委員会などの行政職）
• 民間企業の営業職
• 民間企業の一般事務職

転職先によって求められる知識や資格が異なるため、事前に条件を必ず確認しておきましょう。

自身の経験やスキルを活かしやすい進路を選び、計画的にキャリアチェンジを進めることが大切です。

教員の退職代行に関するよくある質問

教員の仕事はやりがいがある一方で負担も大きく、退職を検討する場面も珍しくありません。

退職代行を利用して職場を離れるケースも増えています。

ここでは、年度途中の退職や公務員教員の即日退職、有給休暇の消化、転職への影響、学校からの連絡対応など、教員の退職代行に関するよくある疑問に答えます。

年度途中でも辞められますか？

法律上、教員も年度途中で退職できます。

私立学校の教員は民間労働者と同じ扱いで、期間の定めがない雇用契約なら退職の意思表示から2週間後に退職が可能です。

公立学校の教員（地方公務員）も、教育委員会への申出と任命権者の承認により年度途中の退職が認められています。

ただし、学校現場への影響を最小限にするため、引き継ぎを円滑に行うには早めに退職の意思を伝えることが望ましいでしょう。

それでも健康上の事情などで限界に達している場合は、年度途中での退職をためらう必要はありません。

なお、担任などの場合は年度末退職が慣例となるケースもあります。

就業規則や手続きは学校ごとに異なるため、事前確認を行い、円滑に退職手続きを進めましょう。

公務員でも即日退職できますか？

公立学校の教員など地方公務員の場合、退職の意思を伝えても任命権者（教育委員会等）の承認が下りるまでは退職できません。

そのため、民間企業のように「今日伝えて明日辞める」という即日退職は原則として難しいのが実情です。

弁護士に依頼しても、公務員の場合は「明日から出勤不要」となるわけではない点に注意が必要です。

有給休暇が残っていれば、退職日まで休暇を取得することで実質的に早く離れられる場合もありますが、正当な理由なく欠勤すれば懲戒処分の可能性が生じます。

特別な事情がない限り、承認が下りるまで数日〜数週間は勤務を続ける必要があります。

公務員の退職手続きは民間より時間を要するケースが多い点も理解しておきましょう。

有給休暇は必ず使えますか？

退職時に残っている年次有給休暇は、教員であっても原則としてすべて消化できます。

私学・公立を問わず、労働者には未消化の有給休暇を取得する権利があり、退職前にまとめて取得することが可能です。

公立学校の教員（地方公務員）も、最大40日程度の年次休暇を退職前に取得できる制度が設けられています。

ただし、引き継ぎの完了や任命権者の許可が必要な点から、希望通り全日程を消化できるかは職場の状況に左右されます。

有給休暇は退職後に消滅し買い取りもされないため、事前に計画を立てて確実に取得することが重要です。

有給が20日以上残っている場合でも、退職前に連続して取得することは十分可能です。

退職代行を使うと再就職に影響しますか？

退職代行の利用が転職先に伝わり、不利になることはありません。

離職票などの公的書類に退職代行の利用有無は記載されず、企業側も前職へそのような情報を照会することはできません。

また、前の勤務先が「退職代行を使った」と新たな雇用主へ伝えることも法的に禁じられています。

さらに、退職代行業者には守秘義務があるため、利用者の同意なく情報が外部に漏れることはありません。

ただし、自分が面接で不用意に話してしまったり、業界が極端に狭い場合に噂として伝わる可能性はゼロではないため注意は必要です。

退職代行の利用が転職活動に影響するケースは非常にまれで、過度に不安を抱く必要はありません。

学校から連絡が来た場合はどうしたらいいですか？

退職代行を利用した後は、学校とのやり取りは原則として代行業者に任せます。

学校から電話やメールが届いても、本人が対応する必要はなく、基本的には無視して問題ありません。

退職に関する連絡はすべて代行業者経由で行うよう依頼済みのため、以降の問い合わせは代理人へ一任することが重要です。

万が一、学校関係者が自宅を訪れたり実家へ連絡してきた場合でも、応対せず代行業者に状況を報告してください。

自分で対応すると引き止めや説得を受け、精神的負担が大きくなる可能性があります。

そのため、退職代行利用後は学校からの連絡に反応せず、すべて代行業者を通して処理することが最も負担を減らす方法といえます。

教員でも退職代行は利用できるかについてまとめ

年度途中の退職も法律上は問題なく、公立・私立を問わず手続きを踏めば退職できます。

また、退職時の有給休暇を消化することも可能で、退職代行の利用が転職活動に不利に働くケースはほとんどありません。

教員のように責任の大きい職務であっても、退職代行サービスを利用し適切な形で退職することは十分に可能です。

追い詰められ心身に限界を感じる前に、早めに専門の退職代行へ相談し、自身の健康と今後の生活を守る判断が大切です。

ただし、公立学校の教員は任命権者の承認が必要なため、退職が認められるまで一定期間を要する点には注意が必要です。

教員であっても退職代行サービスは利用できますので、限界を感じたら、我慢しすぎず早めに利用を検討してください。

イマスグヤメタイであれば、事前に無料相談も受け付けておりますので、もしも退職代行を利用するか迷っている、退職代行で辞められるかどうか知りたい場合は、気軽に下記より無料相談を行ってください。